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Photo : 佐藤文昭
馬追蒸溜所
1階はRC造のワイン醸造所、2階は木造の、ワインなどの物販とゲストルーム、そして丘の上からの眺望が素晴らしいテラスを有する施設。周囲はワインぶどう畑で囲まれている。
1階は傾斜敷地のため土圧を受けつつ、醸造所として恒温性が求められたためRC造耐震壁付きラーメン構造とし、2階は張弦梁や丸太柱が特徴的な木造架構とした。
10.92mスパンの2階物品販売スペースは道産からまつ集成材による張弦梁とし、内装制限で見え隠れとなる屋根梁はあわせ梁2-120x360、下弦材および束を120x120とし、鋼板とボルト・ドリフトピンで接合した。
束の位置を2階テラスの建物平面形状に平行に合わせてスパン中央からずらし、リズミカルで有機的な屋内空間を目指した。
この張弦梁は屋根梁のみで積雪荷重などの支持能力を確保しつつ、下弦材および束を付加した張弦梁とすることで積雪荷重時の「たわみ抑制材」の位置づけとすることで下弦材・束の位置をずらすことを可能にしている。
結果として下弦材はHPシェル状の表現となる。HPシェルは有機的な曲面ながら、木材を曲げ加工することなく直材のみで構成できる「線織面」であり、ずらした下弦材は疑似曲面の優しい雰囲気・木の風合い・木造加工技術を魅せる空間表現となった。
接合部は住宅に使用する既製金物あるいはシンプルな鋼板・ビス・ボルトのみを用いることとし、大断面集成材に使用するような特注工事を不要にした。
2階テラス側外壁は内部壁で耐震性能を確保することで全面に耐力壁を無くし、眺望を阻害しないようにした。
鉄骨階段は厚22せい150のジグザグ鋼板ササラとし、シャープな印象とした。
所在地
北海道夕張郡長沼町加賀団体
主要用途
工場(ワイン醸造所)
意匠設計
武部建設 + ATELIER LAY
構造設計
山脇克彦建築構造設計 山脇克彦
施工会社
武部建設
規模
地上2階 延床面積 858.49㎡
構造種別
木造 在来軸組工法+ずらし張弦梁
竣工
2022年
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